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情緒を基準に生きている韓国ドラマ好きなOLが書いてます。

【韓国ドラマ】オタクの感想🌸愛の不時着 自分にヒットした好きな所

Netflixで国内の視聴ランキングでも常にトップ10位内に入り、今まで韓国ドラマを見なかった層まで取り込んだ愛の不時着。

 

昔から韓国ドラマが大好きで今もアホみたいに見続けているドラマ好きからみた今回のヒットを考えてみた。

※完全に偏見と独断です。

 

主演2人の人気さと演技力

まず主演の2人の組み合わせがめちゃめちゃ良い。「私の名前はキムサムスン」(10年以上前のドラマ)というドラマで日本でも知名度を上げ、その後も出演するドラマでもヒットを出したヒョンビン(果てしなく顔が抜群にカッコいいのだ)と、「私の頭の中の消しゴム」で知名度を高めたソン・イェジンって組み合わせが痺れる。

 

基本的にヒョンビンはラブコメでは絶対に誰にも負けないヒットをかますタイプの俳優で、今までお金持ちの傲慢でわがままな御曹司役が多かった(ドラマではね)。

 

日本で言ったら誰だろう。個人的には竹野内豊みがある。

 

愛の不時着では、地位のある人物に間違いないのだけど、わがままではないし、傲慢でもない、常に謙虚で冷静だけど、純朴さもあるジョンヒョクを演じてる。

セリとのラブストーリーももちろん最高なんだけど、所々、見え隠れする兄を亡くした悲しみとそれによって自分の夢が途絶えてしまったこと、その暗さをまだ消化し切れてない切ない演技めちゃめちゃうまくありません?????

 

兄に父の跡を継がせて自分は好きなピアノを続けてつつも、申し訳なさを兄に感じていた点もだし、このある種の人間的な暗さ、悲しみを垣間見せるのが本当に上手い役者だよなぁと思います。(だから好きなのよヒョンビン)

 

愛の不時着のちょうど1年前にヒョンビンアルハンブラ宮殿の思い出っていうドラマもやってるんだけど、その時から比べると今回の軍人役に合わせてめちゃめちゃ身体鍛えてるんだよね.....ほんとすごいわ....兵役の時並みに鍛えたんじゃないかな......

 

一方で、愛嬌のある美人のソン・イェジン

ただ美人なだけだと、コミカルさも含めた演技は厳しいと思っていて、でも彼女はそのコミカルさも兼ね備えて、ちゃんと演じることができる役者だなと思う。笑うとくしゃっとなる笑顔が素敵すぎる。

 

あと2人共、というより韓国の俳優さんに多いのが、泣くときに目を真っ赤にして涙をいっぱい溜めながらほろほろと泣くんだよね。

ヒョンビンソン・イェジンも2人共その演技が素敵すぎる。泣くシーンって悲しいんだけど、その綺麗でなんとも言えない泣き方がわたしはすごく好きなんだよね。

 

16話という話数の使い方

10話に慣れている日本人にとって16話は長すぎて、10話あたりで中だるみが発生してしまうのがあるあるなんだけど、愛の不時着では北朝鮮からソウルへちょうど場面を切り替えたんだよね。

これ結構ヒットしてるドラマに良くあるパターンで、視聴者を飽きさせないための場面の切り替えタイミングもとても良かったと思う。

 

ソウルへ切り替わって、まだ残っている兄の死の謎だったり、悪役との対決だったり、一旦区切りを置いているのがとても大事だなと思った。

そして場面だけじゃなくてもう一つ大事なのが、セリとジョンヒョクの立場が北朝鮮とソウルで真逆になる点もすごく大事だった。

北朝鮮では身元がバレないようにジョンヒョクに守られながら生活していたセリだけど、自分の本拠地ソウルではバリバリに働く起業家かつ社長だし、財閥のお嬢様でかなり地位が強い(地盤がね)。

ジョンヒョクも北朝鮮では軍のトップにいる父を持つ地位の高い家系だったけど、ソウルでは北朝鮮からの侵入者で、何もわからないし、セリの家に居候する事になる。

2人の立場が逆転し、服装も文化も生活スタイルもガラッと変わったのが視聴者にとってはとても魅力的だったと思う。

軍服ばっかりだったヒョンビンがロングコートにタートルネックニットになった時、みんな発狂したと思うのよね。

逆に北朝鮮では長いワンピース、ロングカーデ、小花柄、スカーフだったセリがソウルではバリバリにスーツを着こなして、ミニスカート履いて、鮮やかな色のファッションをして、事の大胆な展開が最高に気持ちが良いよね。

 

当たり前だけどこれかソウル→北朝鮮だったらなかなか厳しかったのでは?とも思っていて、はじめは北朝鮮で視聴者にとっては非日常なもので、それを見ながら、ソウルだったらな....と考える。でもその後に慣れ親しんだソウルに場面が映り、ジョンヒョク含めみんながソウルにやってくる。ソウルにきたら...と思っていた展開が起こり、視聴者がある種想像していた展開(ソウルにきたらびっくりするだろうな)みたいなものの答え合わせをする感じも見ていて楽しいと思う。

 

(以下はぼちぼち追記します)

 

OSTオリジナルサウンドトラック、ドラマ内の音楽の使い方

ソウルに舞台が移ってから頻繁に出てくるIUのGive You My Heart 出だしのIUが声を絞り出すところ痺れる.....

あとこれは音楽だけでなく、撮影した角度も凄く好きなんだけど、セリが銃で車越しに撃たれたシーン。まさかの真上から撮影してるんだよね、なんなのあのカット、撃たれているのに綺麗すぎて度肝抜かれた。この時の音楽の使い方もすんばらしかったんだよね。こういう印象的なシーンでの音楽ってかなり印象に残るからすごく力を入れてると思うんだけど、、長くなるのでこの続きは好きなシーンで話そう。笑

 

 

 

北朝鮮の生活を丁寧に描く誠実さ

不時着の恐らく脚本団体から脱北者の方から実際の生活の話をヒアリングしていたらしい。

ある都心から離れた北朝鮮の農村が舞台になっているんだけど、最初のセリが迷い込んだシーンの衝撃が結構忘れられない。

 

テレビで今まで見てきた昭和っぽい感じがあるんだけど、何かが確実に違う。人がみんなで整列して体操している。子供たちが掛け声を出しながら並んでいる。異様な雰囲気。なんだかとんでもないところに来てしまった恐怖と不安が一気に押し寄せる感じ。

やっぱり知らないものって怖いんだなって思うよね。家の日用品や水汲み、電気はよく停電するところとかそのまま今の北朝鮮なのかちょっと前の北朝鮮なのかは分からないけれど、ドラマを観る側としては、興味もありつつ、あ、それはあるんだと安心しつつ。

 

ただ愛の不時着で描かれていた北朝鮮の人々は、同じように人間が生活しているだけだということを割と丁寧に描いていたと思う。

分断されてしまっているけれど、ただ北朝鮮に住む人たちが異質なのではなく、全く同じ人間が毎日生活して、洗濯して、おしゃべりして、集まってご飯持ち寄ったり、誕生日パーティーしてみたり、一緒に買い物に行ったりしているだけで、何も違わないってところが描かれているのがすごくよかった。

 

確かに韓国と比べるとその便利さや住みやすさ、先進性は劣るのだけど、人が悩むところや思いつくところ、日々考えているところは全然変わらなかったりするんだよね。

 

最終的にソウルに来たみんなが、ソウルを経験した後でも北朝鮮に戻る選択をしたし、ただただ北朝鮮の人たちを「不便で人権侵害されている可哀想な人々」として描いてないのが1番大事で、1番良いところかもしれない。

この文在寅大統領下で生まれ、ヒットしたこのドラマが少なくともほんの少しは、それ以上の何かを北朝鮮と韓国の間にもたらすのかもしれない。

 

 

家族とは

家族ってなんなのか、って考えさせられる。血の繋がりだけが家族ではないのはもうはっきりしてるけど、今までの韓国ドラマだと恋愛に走ると親を取るのか、恋人を取るのかみたいな選択を迫られるストーリーになったりしてたけど、すごく違和感があって。

どちらも比べ物にならないくらい大事じゃない?なんだよね。

セリを韓国に戻すか否かの瀬戸際でジョンヒョクはその選択を迫られる感じがあるんだけど、無理だよね、決められないよねそんなの。

 

(こういう場合にドラマでよくあるパターンが、親が悪者になっちゃうやつ。例えば恋人に意地悪するとかね。親が悪い奴になっちゃえば遠慮がある程度なくなってしまうからね。ただそれってすごく現実的じゃないと思っていて、子を大事に思う親は、子が悲しみ、寂しい思いをするのが耐えられないんじゃない?と思ってしまう。恋人が悲しむと子も悲しむやんけ、自分の親がこんなんでごめん、情けないってなるやんけ。もちろん色んな人があるので一概には言えない)

 

結局、ジョンヒョクは親も大事にするし、セリも守る選択をするんだけどそれがとても私は好きなんだよね。どっちかを選ぶんじゃなくて、両方を大事に選ぶのが1番理想。

丁寧に、誠実に、自分の大切な人が1人も傷つかない方法を努力して探し続ける主人公はこの2020の状況の中で、とても大事な事だと思うしすごく魅力的だよね。

 

ラストの満足感と2人の終わり方

最終話ではセリとジョンヒョクは一緒に幸せになれるのか?と割と不安げになりながら観てたんだけど、最後の2人なりの幸せを掴む方法や手段が最高に良くて、すごく今らしさを感じるし、自分だちができる範囲の最大限で幸せを築いているところがもう本当に最高!

 

人の幸せってその人のものだから他人が決めることも出来ないし、その人でしか幸せを掴めないと思うんだけど、その中でも最高に良い形の幸せを体現したなぁという感じで、とても良いんだよね。そしてセリとジョンヒョクのどちらも何も我慢はしていない所がとっても重要だと思う。

セリにとって韓国でやっている事業が大事なのと同じくらい、北朝鮮にいる家族がジョンヒョクにとって大事なんだよね。

2人が妥協を重ねながら行き着いた結果じゃなくて、2人共が満足できる結果を模索したからそこなんだと思うと、尊い....笑

 

セリが打たれた時の美しいシーン

セリが撃たれたじゃないですか。車でジョンヒョクを遮って、窓越しに撃たれたシーン。

ジョンヒョクがセリに駆け寄るんだけどそのシーンが、撃たれているのに心底美しいんだよねなんなのあれ....。

 

ジョンヒョクが駆け寄るシーン、何パターンかで表現されてるんだけど、特に真上から撮られたシーンがすごくよかった....

 

 

2人の愛が他のドラマと違う点について

長くなっちゃうのでこちらに書いてます。

理性のある愛を丁寧に描きつつ、無駄なものがないのがとても良い。

 

 

 

2018年頃からの韓国ドラマの流れ 

フェミニズム的観点から